股関節の痛みが悪化すると、腰や膝も痛くなったり、脚の長さに差が生じて歩き方が不自然になるなど、さまざまな症状ををひき起こします。
また、長い間痛い方の股関節をかばっているうちに両方の股関節が痛くなってしまう人も少なくありません。
股関節痛が何年も治らず、普通に生活するのもつらく、外出を控えたり、仕事を休業せざるをえない人もいます。
痛みは主観的なものなので、本当のつらさは本人にしかわかりません。
ここでは、股関節の痛みや動きを改善したい方に整体で改善できる症状と3つの整体効果をご紹介します。
目次
1. 股関節痛の症状
2. 股関節痛の診断名
3. 股関節痛の治療法
4. 股関節痛の原因
5. 股関節痛と整体
6. 整体で改善できる症状と3つの整体効果
7. 股関節痛でお悩みの方へ
1. 股関節痛の症状
股関節の痛みにはさまざまな症状があります。
一口に股関節が痛いと言っても、痛みの強さや種類、痛いところや痛くなる動作など人それぞれ違います。
急に痛くなった人もいれば、慢性の股関節痛に悩まされている人もいます。
そして、股関節が痛いと「歩く」「立つ」という生活する上で必要不可欠な動作に支障がでてきます。
股関節痛の主な症状
- 股関節が痛くて長く歩けない
- 股関節が動かなくて足が組めない
- 股関節や腰が痛くて足が上がらない
- 股関節に力を入れると痛い
- 股関節の痛みをかばっていたら歩き方が不自然になった
- 股関節の他にも腰や膝、太ももが痛い
- 足が上がらず、つまずきやすい
- 靴や靴下が履きずらい
- 股関節が硬く、足の爪が切れない
- 股関節が痛くてしゃがめない
- 立ち上がりや歩き始めで痛みがでる
- 股関節が痛くて階段の昇り降りがつらい など
その他にも、足が浮いている感じがする。股関節に力が入らない。股関節が痛くて寝返りがうてない。などがあります。
2. 股関節痛の診断名
股関節が痛くなって病院に行くと問診と画像検査の結果、なんらかの診断名が付けられます。
股関節痛の主な診断名
- 変形性股関節症
- 臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)
- 先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)
- 股関節の筋膜炎(腸腰筋腱膜炎、腸腰筋腱炎)
- 大腿骨頭壊死症 (だいたいこっとうえししょう)
- グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)
- 股関節唇損傷(こかんせつしんそんしょう)
- 坐骨神経痛(腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症)
- 関節リウマチ など
このとき、レントゲンやMRIなどの画像所見と症状が一致しないものや、原因が特定できない股関節痛もあります。
注:骨折や腫瘍、感染症などによるリスクを除外するためにも、股関節が痛くなったら、まずは医療機関で受診してください。
3. 股関節痛の治療法
股関節の痛みを改善する方法は、医療機関での治療、セルフケア、整体やカイロプラクティックなどの民間療法など様々な治療法があります。
大きく分けると、手術を行わない保存療法と手術療法に分けられます。
3−1. 股関節痛の保存療法
股関節痛の薬物療法
- 鎮痛剤、湿布(NSAIDs・アセトアミノフェン)
- ブロック注射、ステロイド注射、ヒアルロン酸注射
股関節痛の理学療法
- 運動療法、筋力トレーニング(水中歩行など)
- 電気療法(低周波など)
- 温熱療法、アイシング
股関節痛のその他の保存療法
- インソールやサポーター、装具の使用
- マッサージ
- ストレッチ
- 体重のコントロール など
3−2. 股関節痛の手術療法
- 骨切り術
- 人工関節全置換術
このように股関節痛の治療には多くの治療法があります。
その理由は股関節の「痛み」の原因が明らかになっていないことにあります。
そのため、股関節の「痛み」の原因をどう捉えるかによってアプローチの方法(治療方法)も変わるのです。
4. 股関節痛の原因
一般的(整形外科的)に股関節痛の原因と言われているものは、骨や軟骨の変形です。
レントゲンやMRIなどの画像所見で骨や軟骨の変形が見つかれば変形性股関節症や臼蓋形成不全などの診断名が告げられます。
そして、股関節痛(骨や軟骨を変形させる)の要因として、老化・遺伝・オーバーユース(使い過ぎ)・体重の増加などがあります。
股関節痛の原因が骨や軟骨にあると考えれば当然、骨や軟骨に負担をかけないための治療法を勧め、最終的には原因である骨を手術によって補修したり交換します。
極端に言えば、薬で痛みの感覚を麻痺させ、筋力トレーニングで筋力をつけ、体重を減らして、「できるだけ股関節(骨や軟骨)を長持ちさせる」ことが一般的な保存治療の目的です。
言い換えれば、股関節痛は進行性の疾患なので症状を遅らせることはできても、手術をしなければ治らない(元には戻らない)ということです。
しかし、あなたもご存知のように実際には骨や軟骨の変形と「痛み」は違います。
骨や軟骨に変形がなくても痛い人もいれば、骨や軟骨に変形があっても痛くない人もいます。
手術をしなくても治る人もいれば、手術をしても治らない人もいます。
股関節の骨や軟骨が痛みますか。
痛い日と痛くない日があるのはなぜですか。
本当に、骨や軟骨の異常は痛みの原因でしょうか。
5. 股関節痛と整体
病院では、主に骨や軟骨の変形に注目しますが、整体では、骨を支えている筋肉に注目します。(注:ここでは、痛み回復センター東京の整体を整体と表記します)
痛いのは骨や軟骨ではなく、その周りの筋肉が痛いという考え方です。
股関節が痛い人に共通しているのは股関節周辺の筋肉の緊張です。
股関節痛の人は股関節の筋肉をはじめ、太ももや腰の筋肉などが硬く緊張しています。
この無意識に緊張している筋肉を緩めることができれば股関節痛を改善することができます。
筋肉が緊張して過度に収縮すればするほど痛みは強くなり、筋肉の弛緩不全(収縮して元の状態に戻らない)が続けば、症状は慢性化します。
縮んで硬くなっている筋肉は、無理に伸ばそうとする力が加わった時に痛みを発します。
また、縮んで硬くなっている筋肉は無理に伸ばそうとしても伸びないので動きを制限してしまいます。
整体では、何らかの原因(きっかけ)で過度に緊張した筋肉に直接アプローチして痛みと動きを改善します。
骨格のゆがみは骨がゆがんでいるのではありません。
骨を支えている筋肉のバランスが崩れているからゆがむのです。
痛みを感じているのは骨や軟骨ではありません。
骨の周りの筋肉が緊張しているから痛みを感じるのです。
整体は、緊張して硬くなっている筋肉を緩め、体を「自然に治る状態」にするのが目的です。
股関節の痛みに、老化・遺伝・オーバーユース(使い過ぎ)・体重の増加などは関係ありません。
身体の状態(コンディション)の問題です。
股関節が痛い人は、単純に、股関節が痛くなる状態(コンディション)なだけです。
股関節が痛くなるコンディションを痛くならないコンディションに変えるのが整体です。
ちなみに、筋肉にアプローチするというのは、筋肉トレーニングやストレッチ、マッサージなどと共通しています。
筋肉トレーニングやストレッチ、マッサージも目的とやり方を間違えなければ痛みは改善します。
ただし、筋力をつける、筋肉を柔軟にする、筋肉をほぐす目的で行っても痛みは改善しません。
目的はあくまでも、無意識に入っている力を抜く、緊張している筋肉を緩めることです。
股関節の施術例

左股関節・腰・太ももの痛み。before

左股関節・腰・太ももの痛み。after

股関節可動域制限 左足が内側に倒れない。before

股関節可動域制限 左足が内側に倒れない。after
6. 整体で改善できる症状と整体効果
整体では骨の異常や、診断名で痛みを判断することはしません。
変形性股関節症も臼蓋形成不全も、その人の痛みの感じ方や筋肉の状態(動きや硬さ)などをみて判断します。
股関節が痛い、肩がこる、腰が痛いなど、さまざまな症状がありますが、痛みの場所が変わるだけでアプローチの仕方は変わりません。
股関節が痛いときは股関節の痛みに影響する筋肉を緩め、腰が痛いときは腰の痛みに影響する筋肉を緩めます。
整体で改善できる股関節痛の症状
整体で対応できる症状は、外傷(けが)・腫瘍・感染症・内科系疾患等を除く筋肉に関する症状全般です。
筋肉・腱・靭帯の痛み、こり、しびれ、違和感、動き(可動域)を改善します。
具体的には、階段を上る時、立ち上がる時の痛み。しゃがめない、屈めない。など、力を入れると痛い、動くと痛い、動かない、動きずらいという症状です。
また、股関節痛は、足の付け根(鼠径部)だけ痛いというケースは少なく、多くは、お尻や太もも、膝や腰にも痛みがあります。
整体では、股関節の痛みだけを見るのではなく、体全体を見て施術を行います。
体全体の筋肉の緊張を緩め、筋肉のバランスが整うと姿勢や歩き方なども自然に改善していきます。
筋肉の緊張を緩めることで得られる整体効果
整体に求められる効果で多いのは、痛み・動き・姿勢(歩き方)の改善です。
実は、この3つはすべてリンクしていて、痛み・動き・姿勢の順に改善していきます。
整体効果1. 股関節の痛みの不安
股関節が痛いと、階段や歩くことがつらくなります。
そして、痛みが長引けば長引くほど「痛みに対する恐怖や不安」が大きくなります。
「悪化したら歩けなくなる」「股関節痛を治すには手術しかない」という環境にいたら治るものも治りません。
心が緊張すれば体も緊張します。体が緊張すれば痛みはいつまでたっても無くなりません。
整体では、症状ではなく、あなたという人に向き合い、正しい情報や整体技術を使って痛みと痛みに対する不安を解決します。
整体効果2. 股関節の動きについて
「体は動かさないと動かなくなる」これは、リハビリ経験がない人でもわかるとおもいます。
実際に痛くて動かないでいると股関節は固まって動かなくなります。これは確かに事実です。
なかには股関節痛には運動療法が効果があるからといって痛いのを我慢して歩かせたり、ストレッチをさせたりする治療家もいます。
しかし、痛いのを我慢しながら動かすと逆効果になります。根性論で解決しようとしても必ず失敗します。順番が逆です。
痛みと痛みに対する不安がなくなれば、みんな体を動かしたくなります。
体を動かしても痛くならないことがわかれば自信がつき、もっと動かすようになります。
そして、「体は動かせば動かすほど動くようになります」
整体はその状態になる「きっかけ」をつくります。
整体効果3. 姿勢(歩き方)
股関節痛の方が特に気にされるのが、脚の長さの違いや歩き方です。
まず、脚の長さの違いですが、脚の長さの違いは、骨や軟骨とは関係ありません。
軟骨は数ミリしかありませんし、整体師であれば誰でも直せます。
詳しくは別の記事でご紹介しますが、自分で簡単に直すこともできます。
ただ、歩き方については、少し時間がかかるかもしれません。
長年痛みをかばって歩いていると体は自然な歩き方を忘れてしまいます。
いろいろな歩き方のコツ?をアドバイスされ気をつけて歩くと逆に不自然だったりします。
歩くという動作は、股関節だけでなく、腕、肩、腰…など全身の筋肉を使います。
全身の筋肉の連動がスムーズに行われないと自然な歩き方にはなりません。
整体では股関節に痛みがあっても股関節だけを見るということはしません。
体全体の動きを見てバランスや状態を整えます。
7. 股関節痛でお悩みの方へ
痛み回復センター東京の目的は整体を通じてより豊かな生活を送っていただくことです。
あなたの笑顔のために痛み回復センター東京は全力でサポートします。