整体の先生のファンの方やメンテナンス、体のチェック等で整体を利用している方は別として、腰痛や肩こりなどで悩んでいる方は「早く治したい!」という理由で整体に通うのが普通です。
しかし、整体に通うには時間とそれなりのお金が必要です。
せっかく整体に通うのですから、ただ行って施術を受けるだけではもったいないと思うのです。
早く治って、しかも、時間とお金が節約できる方法を知りたい方は最後までお読みください。
1. 整体で「治る」とは
そもそも治るとはどういう状態でしょうか。
人によって「全く症状がなくなる。」から「前より楽になった。」までかなり広い意味をもちます。
個人的には、痛みが全くない(感じない)人は逆に危ないと思っています。
肩こりの例でいうと、肩が凝らないのではなく、肩こりを感じないほど凝っている場合がほとんどだからです。
ここでは「治る」とは、症状が悪化する前に気づくことができる、痛くなっても1日寝れば回復する、痛くなっても気にならない程度の痛みでおさまる、という状態を「治る」ということにします。
2. 整体でできること・できないこと
痛みをはじめ、しびれ、こりなどの症状は日常生活における環境、習慣などが複雑に作用して現れます。
どんな痛みでも根本の原因というのは「その人の過去」の結果です。
大きな原因やきっかけというものはあっても、それが全てではありません。
コンディション(状態)という考え方がわかりやすいかもしれません。
どんな原因であろうと、それに対応できるコンディションであれば問題ないということです。
あちこち痛くなるのは痛くなりやすいコンディションだからであって、体自体に欠陥があるわけではないということです。
同じ動作をしても痛くなる時と痛くない時があるのはそのためです。
整体ではこの「痛くなりやすいコンディション」を「痛くなる前に気づけるコンディション・回復できるコンディション」に変えるということをします。
2-1. 整体でできること
整体では、あの手この手を駆使して、あなたの体を本来の健康なコンディションに導きます。
ここでは整体でできる一般的なものをご紹介します。
テクニック
整体では、ソフト整体、バキバキ整体、◯◯式、◯◯流と星の数ほどあるテクニックを使って体に刺激を与えコンディションを整えます。
情報
整体では、さまざまな情報の中からあなたにとって有益な情報を提供します。
正しい情報はあなたの症状を改善するための道標となり、思考(脳)に刺激を与えます。
リラクゼーション
心地いい時間や空間、雰囲気、安心感などが日常生活で高ぶった感情を鎮め、心と体をリラックスさせます。
リラックス(快の感情)は体の回復力を高めます。
アドバイス
実践するかしないかは別として、整体に行くと「セルフケアをしてください。」「食事に気をつけてください。」などいろいろなアドバイスをしてくれます。
やり方にもよりますが、基本的にはやらないよりもやった方が整体効果は上がります。
2-2. 整体でできないこと
整体では、あなたや、あなたの日常生活を全て把握することはできません。
整体師があなたの生活に関わることができるのは、週に一回通う人で、一週間(168時間)のうち約1時間です。
残りの167時間をどう過ごすかによっても整体効果は大きく変わります。
そうかといって、整体師がいつも側にいてアドバイスすることはできません。
整体効果を最大限に高めるためのポイントの一つは整体以外の時間をどう活用するかともいえます。
3. 整体を最大限活用する方法
整体以外の時間をどう活用するかと考えると、まず、「セルフケアをする」「生活習慣を変える」ということを思い浮かべると想います。
これらは日々の積み重ねで徐々に効果が出てきます。
できれば実践した方がいいでしょう。
ここでは「最短で最大の効果を出す」というのが目的なので、セルフケアや生活習慣についてはまた別の記事で詳しく説明します。
3-1. 整体を利用して最短で最大の効果を出すためには
前述したように、整体師があなたの生活に関わる時間はごくわずかの時間です。
痛みがひどくなって困っている時にタイムリーに施術することはできません。
そんな時、その場で、自分で痛みをとることができたらいいと思いませんか?
結論から言うと、「最短で治す」「整体効果を最大限ひき出す」ためには、あなたが「自分の体専門の治療家」になるということです。
あなたが思っているほど「自分の体専門の治療家」になることは難しくありません。
難しいとすれば、自分のことなので客観的に見れないということぐらいでしょうか。
3-2. 「自分の体専門の治療家」になるための3つのステップ
整体師は問診(質問)や体の動き(反応)を見て、どこが痛いか、どういう動きをすると痛いか、あなたの体はどんな癖(個性)があるかなど客観的に分析してくれます。
そして、どこにどういうアプローチをすればいいか判断し施術を組み立てます。
ここで、あなたが覚えることはこの3つです。
STEP1. 何のために
詳しい理論や難しいことは覚える必要はありません。
なぜそのアプローチが必要なのか、どういったことに気をつけてやれば効果的なのかということがわかれば大丈夫です。
STEP2. どこに
整体を受けると、自分でも気づかないところが痛かったり、ピンポイントで「そこ!」という場所がわかってきます。
STEP3. どうやって
整体の方法を覚えることも大切ですが、アプローチする強さやスピードなどに注目してみましょう。
そしてこの3つを引き出す魔法の質問は、「先生、急に痛くなって動けなくなったらどうすればいいですか?」です。
ズバリ、「私にできる治し方教えてください。」でも「先生だったらどうしますか?」でもOKです。
やり方を教わっても、はじめはうまくいかないかもしれません。
ただ、時間(一週間のうち167時間)はあります。
自分の体ですから、いろいろ試しても誰も文句は言いません。
4. 整体の役割について
最短で治すとは、効率的良く治すということです。
効率良く治すには、一人よりは二人です。
そして、整体の時間+残りの時間を有効に使いましょう。
チームワークで、または、役割分担を決めて治すといったほうがいいかもしれません。
整体の役割としては
- 痛みの改善
- 情報の提供
- 安心感の提供
- 客観的な分析
などがあります。
基本的に「治す」のではなく「治る」コンディションをつくるという考えです。
最短で治すには、いかに早くあなたが自分でケア(治療)できる状態にするかということが整体の役割になります。
そして、あなたの役割は、自分でケア(治療)する方法を覚えることです。
整体師はいろいろな症状に対応しなければいけませんが、あなたは「自分の体専門の治療家」ですから、あなたの症状の専門家になればいいのです。
全てを知る必要はありません。あなたのツボ(いろいろな意味で)さえ知っていれば誰にも負けない専門家になることができます。
「痛くなっても大丈夫。」という自信や安心感が出てくると不思議に痛みは無くなります。
たとえ痛くなっても、自分でケアできるコンディションを維持していれば問題ありません。(多分、痛くなる前に気づくことができます。)
整体の役割の一つは、あなたに自分の体に興味を持ってもらうこと、一生使える健康法を伝えることでもあります。
5. 整体効果を下げるもの
整体効果を上げるものがチームワーク(役割分担)だとしたら、整体効果を下げるものは個人プレーと言えます。
具体的には
- 技術にだけ頼る治療家または患者さん
- 信頼関係がない
- 恐怖や不安をあおる治療家
- 自分が治すと勘違いしている治療家
- 自分で治す気がない患者さん など
一時的な整体効果はあるかもしれませんが、それだけです。
再発したり、他のところが痛くなったらまた一からやり直しです。
※ただし、この全てが悪いわけではありません。
早く治らないほうがいい場合、じっくり時間をかけた方がいい場合など、早い=ベストではないケースもあります。
6.整体効果を最大にする方法 まとめ
今まで痛みが我慢できなくなった時だけ整体を利用していた人もいると思います。
そのような人も自分でケアできるようになると、自分ではケアできない(面倒くさい?)時、客観的にチェックしてほしい時、もっと治療技術を学びたい時?など、整体の利用の仕方も変わってきます。
時間とお金の節約になりますし、何より自分で「痛み」の管理ができるようになります。
・治療家は「自分(患者さん自身)でケア(治療)できるコンディション」をつくること。
・あなたは「自分の体専門の治療家」になること。
結局、整体効果を高め、最短で治るには患者さんと治療家が同じ目線で、同じ目標に向かって行動するということです。
自分でいろいろ試す中で疑問に思ったことはどんどん治療家に聞いてください。
目標は同じ「あなたが健康になること」ですから遠慮はいりません。
一秒でも早くあなたの悩みが解決することを願っています。
7. 追伸
今回はセルフケアや生活習慣については省きましたが、これらは「自分でケアできるコンディション」を維持するため、健康のために続けてください。
ちなみに、「自分の体専門の治療家」のレベルが上がると「自分と家族の体専門の治療家」になります。