「朝が怖い!」寝起きに腰が痛くなる人のなかには、そんな不安を抱きながら眠りにつく人もいるのではないでしょうか?
目覚めたら腰が痛くて動けないという不安は本人にしかわかりません…
明日は起き上がるまで、どれくらいかかるのだろうか?
仕事に行けるだろうか?
これが一生続くのか?
など、寝る前から闘いは始まっているのです。
ここでは、寝起きの腰痛の不安を解消する、寝たままできる対処法を具体的にご紹介します。
この記事が快適な朝を迎えるキッカケになれば幸いです。
1. 寝起きの腰痛の原因
朝や、寝起きに限定して腰が痛くなるというのは、どんな原因があるのでしょうか?
寝る姿勢が良くないから?
急に体を動かしたから?
寝ている時に血行が悪くなっているから?
他にもいろいろな原因があげられるでしょう。
それらが本当の原因かどうかは別にして、一番問題なのは、朝や寝起きに対して不安や恐怖を感じてしまうことなのです。
なぜなら、不安や恐怖は、それ自体が腰痛の原因になりうるからです。
毎晩、不安や恐怖を抱えて寝ているのであれば、もともとの原因が何であれ、高確率で慢性腰痛になってしまいます。
また、不安には「また痛くなるかも」という不安と、「痛くなったらどう対処しよう」という不安があります。
今回、痛くなった時の対処法を知り実践すれば、少なくとも「痛くなったらどうしよう」という不安からは解放されるのではないでしょうか。
2. 寝起きの腰痛の種類
寝起きの腰痛には大きく分けて3つのパターンがあります。
- 腰が痛くて目が覚める
- 目覚めて気がつくと腰が痛い
- 起き上がる時に腰が痛くなる
そして、例外はありますが、いずれも動き出したり、歩き出すと痛みが軽くなるという特徴があります。
もし、そうだとしたら、寝たままの体勢で、効果的に体を動かして痛みを軽減してあげればいいということになります。
また、この3つのパターンを良く見てみると、寝起きの腰痛と言っても若干のタイムラグがあることがわかります。
- 眠っている時に痛くなる。
- 目が覚めてから痛くなる。
- 起き上がる時に痛くなる。
ほんの数秒の違いかもしれませんが、対処の仕方はそれぞれ違ってきます。
それではそれぞれの対処法について詳しく説明します。
3. 寝起きの腰痛 パターン別対処法
パターン1. 腰が痛くて目が覚める場合の対処法
眠りの深さよりも痛みが大きくなり、目覚めた時には、もうすでに痛い、目覚まし時計が鳴るよりも早く痛くなるパターンです。
このパターンは、痛みで起きてしまうほどの鋭い痛みを感じたり、痛みがとても強い場合です。
まず、体を動かすことも困難な状態の時は、無理に動こうとせずに、痛くないところからアプローチすることがポイントです。
まずは、首、肩、足首など、動かしても痛くないところを動かしてください。
具体的には、右側の腰が痛ければ、左の肩を、左側の腰が痛ければ、右の肩を動かすなど、痛いところから遠い順番に動かします。
無理に痛い腰を動かす必要はありません。
一見、関係のない動きでも他のところを動かすことにより連動して背中や腰の筋肉が動き、徐々に痛みは緩和されていきます。
例えるなら氷の固まりをじっくり外側から溶かしていくイメージです。
このとき呼吸を整え肩とお腹の力も抜くと効果的です。
少し動けるようになったら次のパターン2の動作に進みます。
パターン2 朝目覚めて気がつくと腰が痛い場合の対処法
目が覚めてから思い出したように腰が痛くなる、目覚まし時計が鳴ってから痛くなるパターンです。
腰に鈍い痛みがある時や、腰の動きが重い場合など、多少動ける状態の時は、以下の方法を試してみましょう。
①うつ伏せで片脚を横に曲げる
うつ伏せに寝る。
右、または左の脚を横に曲げる。
曲げる順番は、痛くない方から始めるといい。
何回か時間をかけて、交互にゆっくり繰り返す。
ちょうど片脚で平泳ぎをするイメージだ。
股関節とお尻の筋肉の動きを意識して行なうとGOOD!
②仰向けで脚を抱き抱える
仰向けに寝る。
両脚を抱きかかえる。
その姿勢を5〜10秒くらいキープして元に戻す。
両脚が辛い時は、片脚づつでもいい。
5〜10回くらいを目安に、ゆっくり繰り返す。
腰から背中の筋肉の動きを意識して行なうとGOOD!
③仰向けで膝を倒す
仰向けに寝る。
両ひざを90度に曲げ膝を立てる。
両膝を軽くつけたまま左右に倒す。
痛い場合は、軽く膝を傾ける程度にする。
膝をゆらゆらと揺らす感じで腰の力を抜くイメージで行なうとGOOD!
回数は症状によって異なるが、多くても20回くらいを目安にするといい。
どれも寝ぼけたままできる方法なので時間が許せば、そのまま二度寝してもいいでしょう。
また、すべてやる必要はありません。
あなたの腰痛にあったものを選んで試してください。
パターン3 朝起き上がる時に腰が痛くなる場合の対処法
起き上がる動作の途中で、腰に力を入れた時に痛くなる、目覚まし時計を止めた後に痛くなるパターンです。
このパターンは、前述した2つのパターンとは少し違います。
1・2のパターンが習慣による腰痛だとすれば、このパターン3は、起き上がる動作がきっかけになり、腰が痛くなるパターンです。
この場合はシンプルに、起き上がるという「きっかけ」をなくしてしまえば痛みも発生しずらくなります。
つまり「腰を使わないで起き上がればいい」ということです。そういう意味では、対処法というより、予防法と言えるかもしれません。
①横向きになってから起き上がる。
横向きになり、両腕の力を使って起き上がります。
首が上から引っ張られてるイメージで。
②うつ伏せになってから起き上がる。
うつ伏せになり、四つん這いになってから起き上がります。
お尻が上から引っ張られるイメージで。
シンプルすぎて申し訳ありませんが、腰が痛いと言いながら仰向けの状態から腰の力だけで起き上がっている人が意外に多いのです。
この場合、腰に負担をかけたから腰が痛くなるのではなく、もうすでに痛くなる準備が整っていて、痛くなるきっかけを待っている状態なのです。
たまたま腰が痛くなるきっかけが「起き上がる動作」だったということなのです。
痛くなる体制が整っている状態では寝起きに痛くならなくても、顔を洗う時や靴下を履く時などに注意が必要です。
4. 寝起きの腰痛対処法まとめ
腰痛にはいろいろな原因と症状があります。
朝に痛くなる人もいれば、夜に痛くなる人も。
痛くなる動作(きっかけ)も人それぞれ。
決して、朝や、寝起きに腰が痛くなる時間限定のプレミアムな腰痛があるわけではありません。
痛くなる習慣と、痛くなるきっかけが、たまたま寝起きというだけなのです。
もしかしたら、あなたの脳に「寝起き=腰痛」「朝=痛い」というキーワードがインプットされているだけかもしれません。そんなキーワードは一刻も早く削除しましょう。
ここでは、寝ながらできる腰痛の対処法を具体的にご紹介しました。
この対処法の本当の目的は、痛みを緩和することだけでなく、「朝が怖い」という寝起きの不安や恐怖を一つずつ解消していくことにあります。
なぜなら、初めにお伝えしたように、不安や恐怖は、それ自体が腰痛の原因になりうるからです。
「痛くなったらどうしよう」という不安な気持ちが、「痛くなっても何とかなる」という自信や安心に変わるとき、痛みも変わるのです。