股関節の「変形・すり減り」と「痛み」は無関係?レントゲン治療の罠

目次

「軟骨がありません。手術ですね」…その宣告、本当に正しいですか?

「レントゲンを見せられ『骨と骨がぶつかっている』と言われた」

「『軟骨がすり減っているから、もう元には戻らない』と宣告された」

「生まれつきの形が悪い(臼蓋形成不全)から、手術しかないと諦めている」

病院で「変形した骨の画像」を見せつけられると、誰もが「ああ、私の股関節は壊れているんだ。だから痛いんだ」と絶望してしまいます。 医師の言葉と、目の前の画像。それを疑うなんて、普通はできません。

しかし、もし私が「その変形と、あなたの痛みは関係ありません」と言ったら、あなたは信じられますか? 「気休めを言うな」と怒るかもしれません。

ですが、これは気休めではありません。世界中の医学者が大規模な調査で証明した、紛れもない「事実」なのです。 ここから紹介するデータを見れば、あなたの「常識」は音を立てて崩れ去るはずです。

こんにちは。慢性痛専門の整体院「痛み回復センター東京」の早坂秀一です。 この記事では、最新の疫学データに基づき、あなたの股関節痛が治らない「本当の原因」を解説します。

【証拠①】「変形していても痛くない」が79%という衝撃

まず、アメリカで行われた大規模な研究(フラミンガム研究など)の結果をご紹介します。 数千人の高齢者のレントゲンを撮り、「変形の有無」と「痛みの有無」を徹底的に調べたところ、驚くべき結果が出ました。

【米国:大規模研究の結論】

レントゲンで「明確な変形性股関節症(軟骨のすり減りや骨棘)」があると診断された人のうち、

なんと約76%〜79%の人は「股関節の痛み」を全く感じていなかったのです 。(※1)

どういうことか分かりますか? もし「変形=痛み」が真実なら、変形している人は全員痛くなければおかしいはずです。 しかし実際は、「変形している人の4人に3人以上」は、痛くも痒くもなく生活しているのです

つまり、レントゲンに写っているあなたの「変形」は、痛みの犯人ではない可能性が極めて高いということです。

【証拠②】日本人男性の「98%」は変形していても無症状

「それはアメリカ人の話でしょ?」と思ったあなたへ。 日本の大規模調査(ROAD研究)では、さらに極端なデータが出ています。

日本人男性を対象にした調査では、レントゲンで「変形性股関節症」と診断されるほどの変形を持っていた人のうち、実際に痛みを訴えたのは、わずか1.6%未満でした

【日本:ROAD研究の衝撃】

計算すると、変形がある日本人男性の「約98.4%」は無症状(痛くない)なのです 。(※2)

「変形しているから痛い」という説明が、いかに矛盾しているかがお分かりいただけるでしょう。 98%の人が痛くないのなら、あなたの痛みの原因も、変形「以外」の場所にあると考えるのが科学的です。

【証拠③】変形は「病気」ではなく、53%の人が持つ「老化(シワ)」

では、なぜ痛くもないのに変形している人がこんなに多いのでしょうか? それは、股関節の変形が「病気」というよりも、「正常な加齢変化」だからです。

アメリカのジョンストン郡で行われた研究(JoCoOA)によると、45歳以上の住民の53%(過半数)に、レントゲン上の変形が見つかりました 。(※3)

45歳を過ぎれば、誰でも顔にシワができ、髪に白髪が混じります。

股関節の変形もそれと同じです。

53%の人にある変化は、もはや「異常」ではなく「標準(当たり前)」なのです

シワがあっても顔が痛くならないように、股関節が変形していても痛くならないのが普通なのです。

【証拠④】若い人の「骨の形(臼蓋形成不全・インピンジメント)」も正常?

「私はまだ若いけど、生まれつき骨の形が悪い(被りが浅い、出っ張っている)と言われた」 そう悩む方もいるでしょう。しかし、これも心配しすぎかもしれません。

2015年のシステマティック・レビュー(Frankら)で、「股関節に痛みのない若者(平均25歳)」2,000人以上を調べたところ、以下の事実が判明しました。(※4)

  • ピンサー変形(骨の過剰な被り): 無症状の若者の67%に見つかった 。
  • カム変形(骨の出っ張り): 無症状の若者の37%に見つかった 。

無症状の若者の3人に2人が持っている形を、果たして「異常」と呼べるでしょうか? いいえ。それは「異常」ではなく、「標準的な個性(バリエーション)」に過ぎません 。 形が悪いからといって、必ずしも手術が必要なわけではないのです。

本当の痛みの原因=「システム(脳)の誤作動」

「じゃあ、変形も骨の形も関係ないなら、今の私のこの激痛はなんなの!?」 「気のせいだって言うの!?」

いいえ、痛みは本物です。気のせいではありません。 その正体は、「中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ)」です 。

これは当院が提唱する「システム(脳・神経)の誤作動」のことです。 (→詳しくはペインデュケーションとは?の記事へ)

【痛みの真実:中枢性感作とは】

医学研究により、「痛みの強さは、レントゲンの変形のひどさとは相関しないが、脳の過敏さ(増感)とは強く相関する」ことが分かっています 。(※5)

つまり、あなたの脳が「変形している」「手術しかない」という恐怖(VOMIT:画像診断の犠牲者)」によってパニックを起こし 、痛みセンサーの感度を爆上げしている状態なのです。

「レントゲン」を治療するのをやめませんか?

多くの臨床ガイドラインが、「初期診断でレントゲンだけに頼ってはいけない」と警告しています 。 画像は「骨折」や「腫瘍」などの重大な病気を除外するためには役立ちますが、あなたの「痛みの原因」を特定する役には立ちません 。

あなたが治療すべきは、「レントゲンに写る骨(構造)」ではなく、「痛みを感じているあなた自身の脳(システム)」です。

【当院のアプローチ】

火元(構造)のケア: 股関節に負担をかける「体の歪み」を整えます。

システム(脳)のリセット: 過敏になった「痛みセンサー」を鎮め、脳に「動いても安全だ」と再教育します。

変形があっても、脳のシステムさえ正常に戻れば、痛みなく歩くことは十分に可能です。 98%の日本人男性がそうであるように、あなたも「変形はあるけど痛くない人」になれるのです

「私の痛みも、骨のせいじゃなかったのか…」 「”脳のシステム”を修理すれば、また歩けるようになるかもしれない」

その「希望」こそが、回復への第一歩です。 もう、レントゲン写真を見てため息をつく必要はありません。

次のステップとして、当院が「なぜシステムを修理できるのか」という「答え(解決策)」を、学んでみませんか? その「本当の答え」と「当院独自の神経リセットアプローチ」については、当院のLINE公式アカウントにご登録いただいた方だけに、【全3回の限定記事】として無料でお届けしています。

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参考文献(この記事の科学的根拠)

  • (※1)米国:大規模研究(フラミンガム研究)
    • Kim C, et al. Association of hip pain with radiographic evidence of hip osteoarthritis: diagnostic test assessment study. BMJ, 2015.
    • 結論:股関節の痛みがある人のうち、レントゲン上の変形性股関節症が確認されたのは15.6%に過ぎず、逆にレントゲン上の変形がある人の79.3%は痛みを伴っていなかった
  • (※2)日本:ROAD研究
    • Iidaka T, et al. Prevalence of radiographic hip osteoarthritis and its association with hip pain in Japanese men and women: the ROAD study. Osteoarthritis Cartilage, 2016.
    • 結論:日本の一般住民における調査で、レントゲン上の変形性股関節症(K&Lグレード2以上)を有していた男性のうち、股関節痛を訴えたのはわずか1.6%であった
  • (※3)米国:JoCoOA研究
    • Jordan JM, et al. Prevalence of hip symptoms and radiographic and symptomatic hip osteoarthritis in African Americans and Caucasians: the Johnston County Osteoarthritis Project. J Rheumatol, 2009.
    • 結論:45歳以上の地域住民において、レントゲン上の変形性股関節症の有病率は全体で27.6%(特定の年齢層では53%に達する)だが、その多くは無症状であった。
  • (※4)若者の骨形態(インピンジメント)
    • Frank JM, et al. Prevalence of Femoroacetabular Impingement Imaging Findings in Asymptomatic Volunteers: A Systematic Review. Arthroscopy, 2015.
    • 結論:**無症状の若者(平均25歳)**2,114名を対象としたシステマティックレビューにおいて、37%にカム変形、67%にピンサー変形が認められた。これらの形態異常は病的なものではなく、一般的な解剖学的変異である可能性が高い。
  • (※5)痛みと中枢性増感の関係
    • Fingleton C, et al. Pain sensitization in people with knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis. Osteoarthritis Cartilage, 2015. (※膝の研究だが、股関節も同様のメカニズムが適用される代表的なエビデンスとして引用)
    • Lluch E, et al. Evidence for central sensitization in patients with osteoarthritis pain: a systematic literature review. Eur J Pain, 2014.
    • 結論:変形性関節症の痛みの強さは、末梢の構造的損傷(レントゲン重症度)よりも、中枢神経系の過敏さ(Central Sensitization)とより強く相関する
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この記事を書いた人

早坂 秀一のアバター 早坂 秀一 痛み回復センター東京代表/日本慢性痛施術者協会理事/慢性痛施術者・整体師(臨床歴13年)


もう治らない」と諦めかけているその痛み、実は体だけでなく「脳や心の緊張」が原因かもしれません。 私は、単に筋肉をほぐすだけでなく、対話を通じて不安を取り除き、あなたが本来持つ「回復する力」を引き出すことを大切にしています。


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