【File.03】真面目なSEほど陥る「ジム通い」の罠

【File.03】

真面目なSEほど陥る「ジム通い」の罠

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健康のための努力が、仇(あだ)となる時

「先生、おかしいんです。体に良いことをしているはずなのに、どんどん痛くなるんです」

T様(30代男性)は、IT企業に勤めるシステムエンジニア(SE)。 1日12時間以上パソコンに向かうことも珍しくない、生粋のデスクワーカーです。

半年前から「座っているだけで腰が重だるい」という症状に悩まされていました。 同僚やネットの情報から「これは運動不足で腹筋や背筋が弱っているせいだ」と思い込んだT様は、一念発起して24時間ジムに入会しました。

仕事終わりにジムへ行き、腹筋マシンやランニングマシンで汗を流す。 真面目なT様らしい努力でした。 しかし、結果は残酷でした。

「運動した翌朝は、顔を洗うのも辛いほど腰が固まるんです。 最近では、ジムに行くだけで腰に電気が走るようになってしまって……」

良かれと思った努力が、なぜ彼を追い詰めてしまったのでしょうか?

股関節の「綱引き」事件

T様の体には、デスクワーカー特有の「ある異変」が起きていました。 それは「股関節の前側の縮み(拘縮)」です。

長時間座り続けると、股関節を曲げる筋肉(腸腰筋)はずっと縮こまった状態になります。 T様の場合、この筋肉が縮んで固まり、伸びなくなっていたのです。

ここでT様は、ジムで「体を反らす」「走る(足を後ろに蹴る)」という動作を行いました。 するとどうなるか?

前側の縮んだ筋肉が、バネのように腰骨を前方へ無理やり引っ張ります。 一方で、背中の筋肉はそれに抵抗しようと踏ん張ります。 つまり、T様の腰では、前と後ろの筋肉による「強烈な綱引き」が行われていたのです。

腰痛の原因は「筋力不足」ではありませんでした。 縮んでロックされた筋肉を、無理やり動かそうとしたことによる「組織の破壊」だったのです。

鍛える前に、緩めろ

「Tさん、今のあなたに必要なのは『筋トレ』ではありません。『解放』です」

私はTさんにジム通いを一時中断してもらい、施術を開始しました。 ターゲットは腰(背中側)ではありません。 すべての元凶である、お腹の奥と股関節の前側(腸腰筋)です。

「うっ、そこは……効きますね」

指先で固まった筋肉のロックを解除していくと、T様の骨盤がスッと正しい位置に戻っていきました。 綱引きが終わり、腰への負担が消えた瞬間です。

さらに、座っている時の「脳内地図」も書き換えました。 背もたれに寄りかかるのではなく、坐骨(お尻の骨)で正しく座る感覚。 これを脳にインプットすることで、仕事中でも腰を守れる体へとモデルチェンジを行いました。

バグのない体へ

現在、T様は再びジムに通っています。 ですが、もう腰痛はありません。

「以前は『やらなきゃ』という義務感で筋トレしていましたが、今は純粋に体を動かすのが楽しいです。 仕事の集中力も上がって、バグ修正も捗りますよ(笑)」

「あの時、無理に筋トレを続けていたらと思うとゾッとします。 正しい順序を知れて本当によかった」

真面目な人ほど、間違った常識(腰痛=筋力不足)の罠に陥りがちです。 もしあなたも、運動して余計に痛くなっているなら、それは体が「順序が違うよ!」と叫んでいるサインかもしれません。

鍛える前に、まずは整える。 その正しい手順を、私がナビゲートします。

【読者の皆様へ:本記事の取り扱いについて】

本記事は事実に基づくフィクションです。筆者は医師ではありません。記事内容は医学的診断を代替するものではなく、「科学的エビデンス」に基づく情報提供を目的としています。具体的な診断や治療については、必ず医師の診察を受けてください。その上で、「病院では解決しなかった悩み」の選択肢としてお読みいただければ幸いです。

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この記事を書いた人

早坂 秀一のアバター 早坂 秀一 痛み回復センター東京代表/日本慢性痛施術者協会理事/慢性痛施術者・整体師(臨床歴13年)


もう治らない」と諦めかけているその痛み、実は体だけでなく「脳や心の緊張」が原因かもしれません。 私は、単に筋肉をほぐすだけでなく、対話を通じて不安を取り除き、あなたが本来持つ「回復する力」を引き出すことを大切にしています。


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