【File.25】明けない夜と、10年越しの朝陽

【File.25】

明けない夜と、10年越しの朝陽

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深夜2時の孤独

「先生、私ね、夜が来るのが怖いんです」

K様(70代・女性)は、疲れ切った表情で語り始めました。 10年以上前から続く、右のお尻から太ももにかけての「焼き付くような痛み」。 大学病院、鍼灸、カイロプラクティック……あらゆる場所へ行きましたが、答えはいつも同じ。 「画像には異常ありません」「老化ですね」「ストレスでしょう」。

「誰も分かってくれない。でも、痛いんです。」

「毎晩2時になると痛みで目が覚めて、そこから朝まで一人で足をさすって泣いているんです。もう、誰か助けて……って」

彼女は「原因不明」という名の牢獄に、10年間閉じ込められていました。

鳴り止まない警報機

「異常なし」と言われた痛み。これこそが、当院が最も専門とする領域です。 組織(骨や筋肉)が壊れているわけではない。では何が起きているのか?

これは「中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ)」と呼ばれる状態です。

長期間の痛みと不安により、脳の痛みを感じる神経回路がショートを起こしています。

例えるなら、「火事(患部の損傷)は起きていないのに、火災報知器(神経)が故障して、大音量で鳴り響いている」状態です。

そこへ「治らない」という不安が燃料となり、痛みの記憶を強化し続けていたのです。

彼女に必要なのは、患部の治療ではなく、暴走した神経システムを鎮静化させることでした。

10年分の緊張を解く

「Kさん、辛かったですね。でも、あなたの体は壊れていません。神経が少し敏感になりすぎているだけですから、大丈夫ですよ」

私のその言葉を聞いた瞬間、彼女の目から涙が溢れました。 10年間、誰も認めてくれなかった痛みを理解された安堵感。それだけで、治療の半分は完了したと言っても過言ではありません。

施術は、彼女の脳を「休息モード」に切り替えることに集中しました。 温かい手で背骨を優しく調整し、自律神経の乱れを静めていく。 すると、張り詰めていた糸が切れたように、彼女の寝息が聞こえ始めました。

呪いが解けた日

翌週、来院された彼女の顔色は、別人のように明るくなっていました。

「先生! 私、昨日は一度も起きずに朝まで眠れたんです。10年ぶりです。朝の光がこんなに気持ちいいなんて……」

それは、「一生治らない」という呪いが解けた瞬間でした。 現在は月に一度のメンテナンスで通われていますが、もう痛み止めは飲んでいません。 「痛みが出ても、脳の誤作動だから大丈夫」と、彼女自身が一番の名医になったからです。

原因不明の痛みにお悩みの方へ。 出口のないトンネルはありません。 その痛み、私と一緒に謎を解いてみませんか?

【読者の皆様へ:本記事の取り扱いについて】

本記事は事実に基づくフィクションです。筆者は医師ではありません。記事内容は医学的診断を代替するものではなく、「科学的エビデンス」に基づく情報提供を目的としています。具体的な診断や治療については、必ず医師の診察を受けてください。その上で、「病院では解決しなかった悩み」の選択肢としてお読みいただければ幸いです。

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この記事を書いた人

早坂 秀一のアバター 早坂 秀一 痛み回復センター東京代表/日本慢性痛施術者協会理事/慢性痛施術者・整体師(臨床歴13年)


もう治らない」と諦めかけているその痛み、実は体だけでなく「脳や心の緊張」が原因かもしれません。 私は、単に筋肉をほぐすだけでなく、対話を通じて不安を取り除き、あなたが本来持つ「回復する力」を引き出すことを大切にしています。


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