【File.15】50歳の長い夜。
眠りを奪う「夜間痛」の正体
深夜2時の激痛
「夜が来るのが怖いんです」
U様(50代女性)の目は、寝不足で充血していました。 悩みは、典型的な「五十肩(肩関節周囲炎)」。 腕が上がらないのも辛いですが、何より彼女を苦しめていたのは「夜間痛」でした 。
日中はまだ我慢できます。 しかし、布団に入ってうとうとし始めた深夜2時頃。 肩の奥をえぐるようなズキズキとした痛みに襲われ、目が覚めてしまうのです。 座って肩をさすりながら朝を待つ日々。 「いつまでこの痛みが続くのか」。睡眠不足は、U様の気力も体力も奪っていました。
なぜ「寝ている時」に痛むのか?
整形外科では「レントゲンに異常はない。炎症が治まるのを待つしかない」と言われました。 しかし、待っている間も痛くて眠れません。
私はU様に、夜間痛のメカニズムを説明しました。 起きている時は、腕の重みで肩関節に隙間ができています。 しかし、寝るとその牽引力がなくなり、炎症を起こしてパンパンになった関節包の内圧(骨内圧)が高まってしまうのです。 さらに、痛みへの恐怖で自律神経が過敏になり、少しの刺激で「激痛」として脳に伝わっていました。
圧を逃がす
「Uさん、まずは今夜眠れるようにしましょう」
施術では、炎症を起こしている肩関節そのものは強く触りません。 その代わり、肩甲骨と鎖骨の動きを徹底的に良くしました。 肩甲骨が動けば、肩関節の「逃げ場」ができ、内圧が下がります。
さらに、寝る時のポジション指導を行いました。
朝まで眠れる幸せ
翌週、来院されたU様の表情は明るいものでした。 「先生、昨日は一度も起きずに朝まで眠れました!」
睡眠が取れれば、体の修復機能(自然治癒力)が一気に働きます。 そこからは、みるみるうちに可動域も改善していきました。
五十肩は「放っておけば治る」と言われますが、夜間痛がある場合は別です。 眠れないほどの痛みは、我慢せずにプロを頼ってください。 質の良い睡眠こそが、最強の薬なのですから。
【読者の皆様へ:本記事の取り扱いについて】
本記事は事実に基づくフィクションです。筆者は医師ではありません。記事内容は医学的診断を代替するものではなく、「科学的エビデンス」に基づく情報提供を目的としています。具体的な診断や治療については、必ず医師の診察を受けてください。その上で、「病院では解決しなかった悩み」の選択肢としてお読みいただければ幸いです。
