腰痛手術はまだするな!?【手術のリスクとデメリット】

腰が痛くて病院に行き、椎間板ヘルニアや座骨神経痛、脊柱管狭窄症などと診断されて手術を考えている方もいるかもしれません。

また、いろいろな治療法を試しても効果がなく、手術を検討しはじめている方もいるでしょう。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の手術の費用や入院期間はどれくらいかかるのか?名医はどこにいるのか?よりも先に、手術後の後遺症や再発のリスクを知っておくべきではないでしょうか。

ここでは、椎間板ヘルニアや座骨神経痛、脊柱管狭窄症などで手術を考えている方に、あえて手術のリスクやデメリットをご紹介します。

本当に手術が必要かどうかを冷静に考えるための参考にしていただければ幸いです。

目次

1. 腰痛の画像検査と診断名について

病院では、診察やレントゲンなどの画像検査の結果を見て診断します。

腰痛といっても色々な診断名があります。

腰痛の診断名の例

  • 腰痛症
  • 急性腰痛症
  • 腰椎分離症
  • 腰椎すべり症
  • 腰椎座骨神経痛
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰椎椎間板変性症
  • 筋筋膜性腰痛症

医師に「腰部椎間板ヘルニアで椎間板がつぶれているから腰が痛い」「腰部脊柱管狭窄症だから痺れがでる」と説明された方もいるかもしれません。

しかし、実際には画像所見で異常が見られない場合もあります。

逆に、腰が痛くない人に画像検査をした結果、多くの人に椎間板の異常が見つかったという例があります。

健常者の76%に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が存在

Boos N.et al.Spine.1995

これは、画像上で見られる椎間板の異常は、実際には痛みの原因ではないことを示しています。

さらに、「腰痛と画像所見に関連性は無い」「腰痛患者に画像検査を行うことは好ましくない」という結果がでています。

また、X線撮影とCTスキャンによる画像検査は放射線被爆によるリスクも伴うことを忘れないでください。

672の研究をレビューした結果、画像所見と腰痛との間に関連性は無い

Boos N&Lander PH. Eur Spine J.1995

X線撮影・CTスキャン・MRI・サーモグラフィーを含む画像検査は、臨床転帰(痛み・活動障害・不安)を改善させることはなく、医療費の高等や手術件数の増加を招き、X線撮影とCTは放射線被爆による発癌リスクが上昇するため、腰痛患者に画像検査を行うべからず

Chou R.et al.Ann Intern Med.2007

2. 腰痛で手術をする前に知っておきたいこと

腰部椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断されて手術を検討している方もいるかもしれませんが、結論から言うと、手術をしてもしなくても、腰痛が改善する可能性は保存療法と比べて変わりません。

画像所見と腰痛には関連性が無いということは、手術をして画像上の体の異常を取り除いても腰痛は治らないということです。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に対する手術の短期成績は、保存療法よりわずかに優れているが、その差は時間の経過とともに減少していく傾向にあり、長期成績は保存療法と変わらない

Chou R.et al.Spine.2009

腰痛疾患は手術の対象ではなく、適切な管理で99%の患者が手術を避けられることから、脊椎外科医は手術を一時的に凍結すべき

Rosomoff HL & Rosomoff RS.Med Clin North Am.1999

2年間にわたるコホート研究によると、座骨神経痛を有する椎間板ヘルニアの手術は、疼痛・復職率・活動障害において保存療法より有益とはいえず、座骨神経痛は手術の有無に関わらず時間が経てば改善する

Atras SJ.et al.Spine.2010

確かに手術をして一時的に腰痛が改善されるケースもあることは事実です。

その反面、手術をしても全く変わらないケース、手術後さらに悪化するケース(脊椎手術後不全症候群)もあります。

手術は最後の手段です。

激しい痛みで日常生活に支障がでるなどの特別な場合を除いて、リスクのある手術をおこなうよりも保存療法で腰痛を改善することをお勧めします。

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