プロフィール

整体 施術者

早坂 秀一 
Hidekazu Hayasaka

痛み回復センター東京代表/日本慢性痛施術者協会理事/整体師/治療家向け痛み学講座「痛みのミカタ」講師/Kindle版「痛みを手放す〜痛みと環境を変える言葉集〜」「生命の治癒力 痛み篇」著者。慢性痛で苦しんでいる人に希望と安心を提供し、一人一人が自分らしい生活を送れるよう整体や書籍、痛み学講座やSNSを通じて心と体の両面からサポートします
1971年8月生まれ/東京都板橋区在住/獅子座のO型

整体という仕事

整体 施術

──整体という仕事について

早坂:整体と一言でいってもいろいろな整体があります。
そして人それぞれ整体という言葉のイメージが違うと思うんですね。

マッサージをイメージする人やゴッドハンドをイメージする人、バキバキ系の施術をイメージする人、なかには怪しいと思っている人もいるかもしれません。

よくラーメンに例えるんですが、ラーメンと一口にいっても醤油もあれば塩味、味噌味、豚骨もある。
つけ麺もあれば〇〇系なんていうのもある。
作り方も味もそれぞれ違うけど全て「ラーメン」なんです。

整体も〇〇整体、〇〇療法というのは無限にあります。
手技も理論もそれぞれ違うけど全て「整体」なんです。
だから説明するのが難しい(笑)。

簡単に言うと私にとっての整体は健康とほぼ同じ意味なんです。

健康とは健体康心(けんたいこうしん)、すこやかな体とやすらかな心。

そのために体を整(ととの)える、そして心を調(ととの)える。
整体調心(せいたいちょうしん)とでも言うんでしょうか。
体と心が調和した状態ですね。

つまり、私にとって「整体」という仕事は皆さんの体と心が調和するように導くことなんです。

──整体の施術について

早坂:正直に言うと、整体をはじめた頃は手技・テクニックのことばかり考えていました。

痛みは筋肉の緊張であり、筋肉の緊張が緩めば痛みは消えるという信念のもと

「どうやったら一発で痛みを取ることができるのか!?」

「どんな痛みでも一瞬で治す必殺技はないのか!?」

そんなことばかり考えていたんです。

つまり、体にアプローチすることだけを考えていました。
外部からの刺激でなんとかしようと。

それでもそこそこ上手くいっていたのですが…

整体が変わる!?ターニンングポイント

─体から心へ「整体」の概念が変わる出来事とは?

早坂:ある時期に集中して私の整体の概念を揺るがす出来事がおきました。

ある人は問診中に腰の痛みがなくなり、ある人は親と和解したらアトピー、その他の症状が治り、ある人は恨んでいた人を許す気持ちになったら7年続いた膝の痛みが消えたというんです。

「???」ですよね。

認知や情動的側面から考察すれば当然のことなんですが、当時は筋肉を緩ませることしか考えていなかったのでとても刺激的な出来事でした(笑)。

この時期から痛みと心の連関を研究するようになり、キャッチフレーズも「痛みは筋肉の緊張である」というところから一歩進んで「痛みは筋肉の緊張であり、筋肉の緊張は心の緊張である」に変えました。

当たり前のことですが、心が緊張していたら体は緩まないということです。

──痛みと心の連関とは?

早坂:「ストレスが原因の腰痛」や「痛みは脳で感じている」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。

痛み、特に慢性疼痛の場合は感情(痛みをどう思っているか)や認知(痛みをどう捉えているか)というものが痛みの慢性化を引き起こすカギになります。

感情や思考が脳に作用し脳から痛みの司令を体に発信する、そしてそれがグルグル循環する。そんなイメージです。

痛みを嫌だ、怖いと思うほど痛みを意識します。
痛みは意識すればするほど大きくなります。
痛みが大きくなればなるほど嫌だ、怖いという思いが強くなります。

痛みと不安や恐怖は密接に関係しています。

慢性の痛みから解放されるには、どこかでこの連鎖を断ち切る必要があるのです。

極端に言えば、感情(痛みをどう思っているか)と認知(痛みをどう捉えているか)が変われば痛みは変わります。

しかし残念なことに、痛みを過度に意識させ、恐怖心を植え付けているのは医師や治療家であり、ネットや TVなどの健康系メディアなのです。

すべてはこのパラドクスに気づくか気づかないかなのです。

このことに気づくか気づかないかでその後の結果は大きく変わると言っても過言ではありません。

「痛み」に特化したブログ

──痛みに特化したブログをはじめたきっかけ

早坂:はじめは、それぞれの患者さん宛てに施術中に伝えきれなかったことや、忘れないで欲しいことなどをメモや手紙のつもりで書いていました。

特に痛みと感情、痛みと心の連関を伝えたいと思っていました。

治療家でも気づいていない人がいるのに、そのことを一般の人に伝えるというのはなかなか大変ですが、とてもいい勉強になりました。

しばらくすると、同じような痛みで悩んでいる人が見てくれるようになり、なかには「記事を読んで痛みが消えました」と知らせてくれる人も現れてきました。

──LINE相談で痛みが消える

早坂:ブログ記事を読んで感情と認知、つまり心が変わると痛みも変わることがわかったので、試験的にブログ読者を対象にLINE相談をはじめたんです。

そうしたら予想どうりLINEで痛みが消えたという人が何人も現れてきたんです。

この頃から言葉の力、文章・文字の力というものを研究しはじめました。

「痛み学」講師として活動

──講師について

早坂:2018年から、私を含めた三人の講師で「痛みのミカタ」という痛み学の講座をやっています。

治療家の先生を中心に「痛みとはなんぞや」というのをテーマに痛みを色々な角度から分析し、痛みの本質を追求しています。

簡単には説明できませんが…

痛みは100人いたら100通りの痛みがあります。
同じ人でも昨日の痛みと今日の痛みは異なります。
痛みには色々な側面があります。
いろいろな痛みがあります。

生きていくうえで痛みは必要なものです。
痛みにはいろいろな意味があります。
痛みでフト気づかされることもあります。

そんなことをズーッと話しています(笑)

痛みで困っている人を救いたい一心で整体の仕事が終わった後に講義の内容を考えたり資料を作ったりしています。

講師も真剣なら参加されている治療家の先生方も本当に真剣です。

今はまだこの活動も小さな灯火ですが、必ず大きな成果となって実を結ぶことを確信しています。

──受講者のご感想

早坂:講座を受講された治療家の先生からはこんな声をいただいています。

・今まで参加してきたセミナーは「患者様の為」と思って参加してきましたが、今回痛みのミカタセミナーは回を重ねるごとに「自分の為」と思って参加していました。
日々の患者さんへの悩みや不安をリセットをする為に参加していたと思います。自分の認識や考えを少し変えるだけでも同じ患者様の症状や訴えでも違う見え方がするのだと実感しました。

・非常に中身の濃い充実のセミナーでした。
1日では伝えきれないほどの内容をグッと濃縮して短い時間のなかにめいいっぱい詰め込まれていて学ぶことがいっぱいでした。1日があっという間に感じますが、終わると頭はフル回転しっぱなしだったようで心地よい疲れでいっぱいです♪

このほかにもたくさんの嬉しい声をいただきました。
ありがとうございます。

私ができること

──痛みでお困りの方へ

早坂:私はできることなら痛みでお困りの方に一人でも多くお会いして一人一人の声を聴き、少しでも苦しみと痛みを和らげたい。

体と心を楽にして、供に歓びを分かちあいたい。

しかし、いくら私が強く望んでも、それぞれのタイミングや環境、住んでいる地域等によりお会いできる人は限られています。

だからこそ私はブログ記事やSNS、セミナーや講演を通じて一人でも多くの痛みに苦しんでいる人に希望と安心を与えるよう情報を発信し続けているのです。

ブログ記事やSNSでは顔が見えなくても繋がれることを知りました。

どんなにつらくても希望と安心があれば必ず痛みは変化します。

どんな痛みでも過ぎ去らない痛みはありません。


大丈夫です。自分の体を信じて下さい

ずっと言い続けていきたいと思います。

──今後の活動にについて

早坂:整体の仕事はもちろん続けていきますが、今後は特にブログやSNSを通じてもっと多くの人と繋がっていきたいと考えています。

それは綺麗事ではなく、私に共感してくれる仲間をドンドン増やして大きな発信力や影響力を持ちたいからです。

理由は、増え続ける慢性疼痛で苦しんでいる人を減らしたいからです。

慢性疼痛で苦しんでいる人を減らすためには痛みの概念、痛みの認知を変える必要があるからです。

痛みで苦しんでいる人の絶望を希望に、不安を安心に、治らないから治るに変えていかなきゃどうしようもないんです。

治療技術が進化して一時的に痛みに対処することができても、「痛みの認知」が変わらなければ痛みで苦しむ人は減らないのです。

だから気づいた人から行動を起こすしかないんです。
気づいた人から発信するしかないんです。

その為に皆さんの協力が必要なんです。

よろしくお願い致します。

実は数年前までは全くこんなことは考えてもいませんでした。
言っても誰にも伝わらないだろうと思ってスネていましたから。

でも今では一緒に痛みのミカタの講師をしている先生をはじめ、受講してくれた痛みに携わる先生たち、そして私を信頼してくれている患者さん、先輩、後輩、みなさんのおかげで素直になることができました(笑)。

──最後にひと言

最後までお読みいただきありがとうございます。

今後も末長くお付き合いいただければ幸いです。

すべての人に心より感謝いたします。

ありがとうございます。

書籍