首の痛みや肩こりがつらくなり、病院に行くと頚椎症(けいついしょう)と言われることがあります。
悪化すると、首や肩の痛みの他に、腕のしびれ、腕全体がだるくなるなどさまざまな症状ををひき起こします。
また、症状が何年も続き、薬やブロック注射の効果もなく手術を検討している人も少なくありません。
普通に生活するのもつらく、外出を控えたり、仕事を休業せざるをえない人もいます。
痛みは主観的なものなので、本当のつらさは本人にしかわかりません。
ここでは、頚椎症による首や肩の痛み、腕のしびれなどを改善したい方に整体で改善できる症状と頚椎症における整体効果をご紹介します。
1. 頚椎症の症状
頚椎症にはさまざまな症状があります。
一口に頚椎症と言っても、痛みやしびれの強さ、痛いところや痛くなる動作など人それぞれ違います。
急に痛くなった人もいれば、慢性の痛み、しびれに悩まされている人もいます。
首、肩、腕の痛みをはじめ、しびれ、痙攣などの症状が悪化すると日常生活や仕事に影響がてきます。
頚椎症の主な症状
- 首の激痛で布団から起き上がれない
- 首が痛くて動かせない
- 首を後ろに反らすと痛みやしびれがが悪化する
- 首、肩、肩甲骨が痛い
- 腕全体に痛みとしびれがある
- 腕がだるく、力が入らない
- 腕が上がらない
- 指のこわばりやしびれ、握力の低下
- 両手、両足のしびれ
- 頭痛やめまい
- 箸が使いづらい、ボタンがかけにくい、字がうまく書けない など
症状がひどくなると、首や肩、腕のしびれだけではなく、足のしびれ、麻痺による歩行障害(歩行が困難になる)、膀胱直腸障害(排尿や排便の障害)などの症状がでる人もいます。
2. 頚椎症の診断名
頚椎症の頚椎とは首の骨のことです。
首の骨と骨の隙間(椎間)が狭くなったり、骨棘(こつきょく)という骨の出っぱりなどにより首、肩、腕に痛みやしびれがでるというものです。
首が痛くなって病院に行くと問診と画像検査(レントゲン、MRI)の結果、なんらかの診断名が付けられます。
変形性頚椎症(へんけいせい けいついしょう)
レントゲン画像から、首の骨と骨の隙間(椎間)が狭くなったり、骨棘(こつきょく)という骨の出っぱりなど、骨の変形が確認されると変形性頚椎症と言われます。
症状はしびれを伴わない首の痛み、肩こりなどです。
この頚椎の変形、骨の変化(頚椎症性変化)は年齢とともに誰にでも起こるもので特に問題はありません。
60歳以上の方の4人に1人くらいはレントゲン画像上では(症状がなくても)骨の変化があるといわれています。
骨の変形=痛みというわけではないのですが、あえて診断名をつけるとしたら変形性頚椎症ということです。
頚椎症性神経根症(けいついしょうせい しんけいこんしょう)
頚椎の変形により、頚椎から腕につながる神経根(神経の枝)が圧迫され、首、肩の痛みに加えて、腕(左右どちらか一方)に痛みやしびれが起こるのが頚椎症性神経根症です。
上を向くと頚椎間の隙間が狭くなり神経根を圧迫するため腕の痛みが強くなります。
頚椎症性脊髄症(けいついしょうせい せきずいしょう)
頚椎の変形により、頚椎の脊柱管(脊髄が通っている骨のトンネル)の中にある脊髄が圧迫され、首、肩の痛みに加えて、両手や両足にしびれが起こるのが頚椎症性脊髄症です。
また、脊髄が圧迫されると手足の動きが悪くなったり、感覚が鈍くなるため、手足のしびれの他に、手指の運動障害、歩行障害、膀胱直腸障害などの症状がでます。
頚椎椎間板ヘルニア(けいつい ついかんばん へるにあ)
骨と骨の間にあるクッションの役割をしているものが椎間板です。
この椎間板の中にある髄核がなんらかの理由で飛び出し脊髄を圧迫している状態が椎間板ヘルニアです。
首の椎間板ヘルニアを頚椎椎間板ヘルニアといい、腰の椎間板ヘルニアを腰椎椎間板ヘルニアといいます。
変形性頚椎症における、頚椎の変形、骨の変化(頚椎症性変化)は年齢とともに誰にでも起こるものなので加齢による骨の自然な変化と言えます。
一方、頚椎椎間板ヘルニアは20~30代の若い世代にも多くみられるため、なんらかの理由による椎間板の突発的な変化と言えます。
頚椎後縦靭帯骨化症(けいつい こうじゅうじんたいこつかしょう)
後縦靭帯骨化症とは、骨と骨をつなぐ靭帯のうち後ろ側(背中側)にある靭帯が 骨のように硬くなるというものです。
この骨のように硬くなった靭帯が脊柱管を狭くし、脊髄を圧迫するために頚椎症性脊髄症と同じような症状がでるというものです。
頚部脊柱管狭窄症(けいぶ せきちゅうかん きょうさくしょう)
頚椎の変形、椎間板ヘルニアなどにより頚椎の脊柱管(脊髄が通っている骨のトンネル)が狭くなり脊髄が圧迫されている状態の総称を頚部脊柱管狭窄症といいます。
頚部脊柱管狭窄症には、頚椎症性脊髄症、頚椎椎間板ヘルニアなどの後天的に脊柱管が狭くなる場合と、生まれつき(先天的に)脊柱管が狭い場合があります。
注:その他にも骨折や腫瘍、感染症などによるリスクを除外するためにも、痛みやしびれ等を感じたら、まずは医療機関で受診してください。
3. 頚椎症の治療法
頚椎症による痛み、しびれを改善する方法は、医療機関での治療、セルフケア、整体やカイロプラクティックなどの民間療法など様々な治療法があります。
大きく分けると、手術を行わない保存療法と手術療法に分けられます。
3−1.頚椎症の保存療法
頚椎症の薬物療法・注射療法
- 消炎鎮痛剤(NSAIDs)
- 筋弛緩剤
- 抗不安薬 リリカ(プレガバリン)など
- ビタミンB12製剤
- 星状神経節ブロック注射
頚椎症の理学療法
- 温熱療法
- 牽引療法
- 電気治療(低周波など)
頚椎症のその他の治療法
- 頚椎カラー(コルセット)等の装具の使用
- 首痛用の枕
- マッサージ
- 整体、カイロプラクティック など
3−2. 頚椎症の手術療法
- 頚椎椎弓形成術(後方法)
- 頚椎前方除圧椎体固定術(前方法)
このように頚椎症の治療には多くの治療法があります。
それは、痛みやしびれの原因が明確でないからです。
原因が明確でないから治療法も多く存在するのです。
4. 頚椎症の原因
一般的(整形外科的)に頚椎症の原因と言われているものは、骨や椎間板の変形です。
X線、MRIなどの画像所見で骨や椎間板に異常が見つかれば変形性頚椎症や頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症などの診断名が告げられます。
そして、頚椎症(骨や椎間板の変形)の要因として、加齢・遺伝・首への負担などがあります。
首の痛み、腕のしびれの原因が骨や椎間板にあると考えれば当然、骨や椎間板に負担をかけないための治療法を勧め、最終的には原因である骨を手術によって補修したり交換します。
極端に言えば、安静にしたり頚椎カラーなどで首への負担を避ける。薬で痛みの感覚を麻痺させる。手術によって神経根や脊髄への圧迫を取り除くことが治療の目的です。
また、手術をして神経根や脊髄への圧迫を取り除いたとしても、完全に良くなるということはなく、症状の悪化を防ぐという目的で手術を選択する場合が少なくありません。
本当に骨や椎間板の変形、神経根や脊髄への圧迫が痛みやしびれの原因でしょうか。
骨や椎間板に異常がなくても痛い人もいれば、骨や椎間板に異常があっても痛くない人もいます。
手術をしなくても治る人もいれば、手術をしても治らない人もいます。
5. 頚椎症と整体
痛みやしびれの原因をどう捉えるかによってアプローチの方法(治療方法)も変わります。
病院では、主に骨や椎間板の異常に注目しますが、整体では、骨を支えている筋肉に注目します。(注:ここでは、痛み回復センター東京の整体を整体と表記します)
痛みやしびれの原因は骨や椎間板、神経ではなく、その周りの筋肉が緊張にあるという考え方です。
首の痛み、腕のしびれがある人(頚椎症)に共通しているのは首、肩周辺の筋肉の緊張です。
頚椎症の人は首の筋肉をはじめ、肩や腕の筋肉などが硬く緊張しています。
この無意識に緊張している筋肉を緩めることができれば頚椎症の症状を改善することができます。
筋肉が緊張して過度に収縮すればするほど痛みやしびれは強くなり、筋肉の弛緩不全(収縮して元の状態に戻らない)が続けば、症状は慢性化します。
縮んで硬くなっている筋肉は、無理に動かそう、伸ばそうとする力が加わった時に痛みを発します。
また、縮んで硬くなっている筋肉は無理に伸ばそうとしても伸びないので動きを制限してしまいます。
整体では、何らかの原因(きっかけ)で過度に緊張した筋肉に直接アプローチして痛み、しびれ、動きを改善します。
骨格のゆがみは骨がゆがんでいるのではありません。
骨を支えている筋肉のバランスが崩れているからゆがむのです。
痛みを感じているのは骨や椎間板ではありません。
骨の周りの筋肉が緊張しているから痛みを感じるのです。
整体は、緊張して硬くなっている筋肉を緩め、体を「自然に治る状態」にするのが目的です。
首の痛み、腕のしびれに、加齢・遺伝・首への負担などは関係ありません。
身体の状態(コンディション)の問題です。
首の痛みがある人は、単純に、首が痛くなる状態(コンディション)なだけです。
首が痛くなるコンディションを痛くならないコンディションに変えるのが整体です。
ちなみに、筋肉にアプローチするというのは、筋肉トレーニングやストレッチ、マッサージなどと共通しています。
筋肉トレーニングやストレッチ、マッサージも目的とやり方を間違えなければ痛みは改善します。
ただし、筋力をつける、筋肉を柔軟にする、筋肉をほぐす目的で行っても痛みは改善しません。
目的はあくまでも、無意識に入っている力を抜く、緊張している筋肉を緩めることです。
6. 整体で改善できる症状と整体効果
整体では骨の異常や、診断名で痛みを判断することはしません。
変形性頚椎症や頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症も、その人の痛みの感じ方や筋肉の状態(動きや硬さ)などをみて判断します。
首が痛い、肩がこる、腕が痛いなど、さまざまな症状がありますが、痛みの場所が変わるだけでアプローチの仕方は変わりません。
首が痛いときは首の痛みに影響する筋肉を緩め、腕が痛いときは腕の痛みに影響する筋肉を緩めます。
整体で改善できる頚椎症の症状
整体で対応できる症状は、外傷(けが)・腫瘍・感染症・内科系疾患等を除く筋肉に関する症状全般です。
筋肉・腱・靭帯の痛み、こり、しびれ、違和感、動き(可動域)を改善します。
具体的には、上を向く、振り向くなどの首を動かす時の痛みやしびれ。腕が上がらない、指がこわばる。など、力を入れると痛い、動くと痛い、動かない、動きずらいという症状です。
また、頚椎症は、首、肩、腕だけ痛いというケースは少なく、多くは、背中(肩甲骨周り)、肘や手首にも痛みがあります。
整体では、首、肩、腕の痛み、しびれだけを見るのではなく、体全体を見て施術を行います。
体全体の筋肉の緊張を緩め、筋肉のバランスが整うと痛みやしびれ、動きなども自然に改善していきます。
筋肉の緊張を緩めることで得られる整体効果
整体に求められる効果で多いのは、痛み・動き・姿勢の改善です。
実は、この3つはすべてリンクしていて、痛み・動き・姿勢の順に改善していきます。
整体効果1.首、肩、腕の痛みの不安
首、肩、腕が痛いと、日常生活の何気ない動きでもつらくなり、痛みが長引けば長引くほど「痛みに対する恐怖や不安」が大きくなります。
「悪化したら仕事ができなくなる」「頚椎症を治すには手術しかない」という環境にいたら治るものも治りません。
心が緊張すれば体も緊張します。体が緊張すれば痛みはいつまでたっても無くなりません。
整体では、症状ではなく、あなたという人に向き合い、正しい情報や整体技術を使って痛みと痛みに対する不安を解決します。
整体効果2. 首、肩、腕の動きについて
「体は動かさないと動かなくなる」これは、リハビリ経験がない人でもわかるとおもいます。
実際に痛くて動かないでいると首、肩、指などの関節は固まって動かなくなります。
しかし、痛いのを我慢しながら動かすと逆効果になります。根性論で解決しようとしても必ず失敗します。順番が逆です。
痛みと痛みに対する不安がなくなれば、みんな体を動かしたくなります。
体を動かしても痛くならないことがわかれば自信がつき、もっと動かすようになります。
そして、「体は動かせば動かすほど動くようになります」
整体はその状態になる「きっかけ」をつくります。
整体効果3. 姿勢
頚椎症の方が特に気にされるのが、姿勢や歩き方です。
ストレートネックや猫背が原因と言われた人もいるかもしれません。
しかし、姿勢や歩き方は変えようと思ってもなかなか変えることはできません。
なぜなら、今の姿勢や歩き方が今の体にとって一番楽だからです。
また、長年痛みをかばって歩いていると体は自然な姿勢、歩き方を忘れてしまいます。
いろいろな歩き方のコツをアドバイスされ気をつけて歩くと逆に不自然だったりします。
姿勢や歩くという動作は、腕、肩、腰…など全身の筋肉を使います。
全身の筋肉の連動がスムーズに行われないと自然な姿勢、歩き方にはなりません。
整体では首や腕に痛みがあっても首や腕だけを見るということはしません。
体全体の動きを見てバランスや状態を整えます。
体全体のバランスが整えば自然に姿勢や歩き方が変わります。
7. 頚椎症でお悩みの方へ
痛み回復センター東京の目的は整体を通じてより豊かな生活を送っていただくことです。
あなたの笑顔のために痛み回復センター東京は全力でサポートします。