手首や指に痛みや違和感を感じ病院に行くと腱鞘炎(けんしょうえん)と言われることがあります。
悪化すると、手が握れない、手首が激痛で眠れない、痛みの範囲が広がるなどさまざまな症状ををひき起こします。
また、症状が何年も続き、薬や注射の効果もなく手術を検討している人も少なくありません。
普通に生活するのもつらく、外出を控えたり、仕事を休業せざるをえない人もいます。
痛みは主観的なものなので、本当のつらさは本人にしかわかりません。
ここでは、腱鞘炎による手首や指の痛みを改善したい方に整体で改善できる症状と腱鞘炎における整体効果をご紹介します。
1. 腱鞘炎の症状
腱鞘炎にはさまざまな症状があります。
一口に腱鞘炎と言っても、痛みやしびれの強さ、痛いところや痛くなる動作など人それぞれ違います。
急に痛くなった人もいれば、慢性の痛みに悩まされている人もいます。
手首や指の痛みが悪化すると日常生活や仕事に影響がてきます。
腱鞘炎の主な症状
- 手首が痛くて授乳、搾乳、抱っこができない
- 激痛で手が握れず指も曲がらない
- 人差し指や親指がだるく違和感がある
- 痛みで箸が持てない
- 痛みで楽器が弾けない
- ピアノが演奏できない
- トランペットが演奏できない
- 打楽器が演奏できない
- キーボードが打てない
- ペンがつかめず字が書けない
- ボタンがかけにくい
- 手首の痛みで眠れない、痛みで目が覚める
- 手首が痛くてペットボトルが開けられない
- 手をつくと激痛が走る
- 痛い方の手をかばっていたら両手とも腱鞘炎になってしまった
- 腱鞘炎になってから頭痛や肩こりがひどくなった など
症状がひどくなると、手首や指だけではなく、肘や腕全体が痛くなったり、両方の手首が腱鞘炎になる人もいます。
何年も腱鞘炎に悩まされている人、何度も腱鞘炎が再発し、休職と復職を繰り返している人も少なくありません。
2. 腱鞘炎とは
腱鞘炎の腱鞘は腱に鞘(さや)と書きます。
腱とはアキレス腱の腱と同じで筋肉と骨をつなぐ硬い組織です。
鞘は刀の鞘と同じで中に物を納める、物の外側を覆うものという意味です。
筋肉の動きを骨(関節)に伝える腱の周りを覆い、ガイドの役目をするのが腱鞘です。
腱鞘炎とは、なんらかのきっかけで腱と腱鞘の隙間が狭くなり、腱と腱鞘が擦れ合うことで炎症を引き起こした状態のことをいいます。
手首や指が痛くなって病院に行くと問診や身体検査、画像検査(レントゲン、MRI)などの結果、なんらかの診断名が付けられます。
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
腱鞘炎の最も発症しやすいのが手の指で、特に多いのが利き手の親指(母指)です。
親指(母指)の近くには長母指外転筋腱と短母指伸筋腱という腱があり、その腱鞘に炎症が起こった場合に限り「ドケルバン病」と言います。(ド・ケルバンとはスイスの外科医フリッツ・ド・ケルバン:Fritz de Quervainによるもの)
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)の特徴
- 親指側の手首の痛みや腫れ
- 親指の付け根の痛み
- 親指の曲げ伸ばしが困難
- 腱(長母指外転筋腱、短母指伸筋腱)の周囲が硬くなる など
バネ指
手のひらの内側の腱鞘炎が悪化すると、指を伸ばそうとすると弾かれたように指が動くようになります。
これを特に「バネ指」と言います。
バネ指の特徴
- 指がうまく動かない、こわばる
- 指を動かすと指や手のひらが痛い
- 指を動かすと引っかかる感じがする
- 指が腫れる
- 指が曲げられない、伸ばせない
- 親指(母指)、中指、環指(薬指)に多い など
手首や指の腱鞘炎が有名ですが、腱、腱鞘のある部位であればどこでも腱鞘炎になる可能性はあります。
例えば、足の腱鞘炎では、足首や足の甲の痛み、足の指先のこわばりや感覚異常などの症状があります。
注:骨折や腫瘍、感染症などによるリスクを除外するためにも、痛みやしびれ等を感じたら、まずは医療機関で受診してください。
3. 腱鞘炎の治療法
腱鞘炎による手首や指の痛みを改善する方法は、医療機関での治療、セルフケア、整体やカイロプラクティックなどの民間療法など様々な治療法があります。
大きく分けると、手術を行わない保存療法と手術療法に分けられます。
3−1.腱鞘炎の保存療法
腱鞘炎の薬物療法・注射療法
- 消炎鎮痛剤(NSAIDs)軟膏、湿布薬、内服薬
- 腱鞘内ステロイド注射
腱鞘炎の理学療法
- マッサージ
- ストレッチ
- 電気治療(低周波など)
腱鞘炎のその他の治療法
- 腱鞘炎用サポーター
- テーピング
- 整体、カイロプラクティック など
3−2. 腱鞘炎の手術療法
- 腱鞘切開手術
- 内視鏡手術
このように腱鞘炎の治療には多くの治療法があります。
それは、痛みの原因が明確でないからです。
原因が明確でないから治療法も多く存在するのです。
また、腱鞘炎になると「なるべく手首や指を使わないでください。」と安静を勧められた人もいるかもしれません。
しかし、日常生活で手首や指を使わないというのは非現実的であり、安静が腱鞘炎の治癒に効果があるという根拠もありません。
4. 腱鞘炎の原因と手首や指の「痛み」の原因
一般的(整形外科的)に腱鞘炎の原因と言われているのは、腱と腱鞘の摩擦による炎症です。
そして、腱鞘炎になる要因として、手首や指の使いすぎ、筋力不足、(女性の場合)更年期や妊娠、出産などによるホルモンバランスの乱れ、加齢などがあります。
手首や指の痛みの原因が腱と腱鞘の摩擦にあると考えれば当然、腱と腱鞘に負担をかけないための治療法を勧め、最終的には原因である腱鞘を手術によって切開したり切除します。
極端に言えば、安静にしたり腱鞘炎用サポーター、テーピングなどで手首や指への負担を避ける。薬で痛みの感覚を麻痺させる。手術によって腱鞘への摩擦を取り除くことが治療の目的です。
また、手術をして腱鞘への摩擦を取り除いたとしても、完全に良くなるということはなく、症状の悪化を防ぐという目的で手術を選択する場合が少なくありません。
手術をしなくても治る人もいれば、手術をしても治らない人もいます。
安静にしていても痛みが悪化する人もいます。
本当に腱や腱鞘への負担が手首や指の痛みの原因でしょうか。
男性でも多くの人が腱鞘炎の痛みで悩んでいます。
腱鞘炎になる人は他の人に比べて手首や指の筋力がないのでしょうか。
加齢と痛みは関係があるのでしょうか。
5. 腱鞘炎による手首や指の痛みと整体
手首や指の痛みの原因をどう捉えるかによってアプローチの方法(治療方法)も変わります。
病院や整形外科では、患部である腱や腱鞘に注目しますが、整体では、腱や腱の動きに影響を与えている筋肉に注目します。(注:ここでは、痛み回復センター東京の整体を整体と表記します)
痛みの原因は腱や腱鞘ではなく、腱とその周りの筋肉の緊張にあるという考え方です。
また、腱や靭帯というのも筋肉組織の一部であると捉えます
手首や指に痛みがある人に共通しているのは手首や指周辺の筋肉(腱を含む)の緊張です。
腱鞘炎の人は手首や指の筋肉をはじめ、肘や腕の筋肉などが硬く緊張しています。
この無意識に緊張している筋肉を緩めることができれば腱鞘炎の症状を改善することができます。
筋肉が緊張して過度に収縮すればするほど痛みは強くなり、筋肉の弛緩不全(収縮して元の状態に戻らない)が続けば、症状は慢性化します。
縮んで硬くなっている筋肉は、無理に動かそう、伸ばそうとする力が加わった時に痛みを発します。
また、縮んで硬くなっている筋肉は無理に伸ばそうとしても伸びないので動きを制限してしまいます。
整体では、何らかの原因(きっかけ)で過度に緊張した筋肉に直接アプローチして手首、指の痛みと動きを改善します。
整体は、緊張して硬くなっている筋肉を緩め、体を「自然に治る状態」にするのが目的です。
手首、指の痛みに、手首や指の使いすぎ、筋力不足、ホルモンバランスの乱れ、加齢などは関係ありません。
身体の状態(コンディション)の問題です。
手首、指に痛みがある人は、単純に、痛くなる状態(コンディション)なだけであります。
痛くなる状態(コンディション)の時に手首や指を使えば痛くなるは当然です。
手首、指が痛くなるコンディションを痛くならないコンディションに変えるのが整体です。
筋肉にアプローチするという視点では、筋肉トレーニングやストレッチ、マッサージなどと共通しています。
筋肉トレーニングやストレッチ、マッサージも目的とやり方を間違えなければ痛みは改善します。
ただし、筋力をつける、筋肉を柔軟にする、筋肉をほぐす目的で行っても痛みは改善しません。
目的はあくまでも、無意識に入っている力を抜く、緊張している筋肉を緩めることにあるのです。
6. 整体で改善できる症状と整体効果
整体では診断名で痛みを判断することはしません。
腱鞘炎もドケルバン病もバネ指も、その人の痛みの感じ方や筋肉の状態(動きや硬さ)などをみて判断します。
手首が痛い、指が痛い、肘が痛いなど、さまざまな症状がありますが、痛みの場所が変わるだけでアプローチの仕方は変わりません。
手首が痛いときは手首の痛みに影響する筋肉を緩め、指が痛いときは指の痛みに影響する筋肉を緩めます。
整体で改善できる腱鞘炎の症状
整体で対応できる症状は、外傷(けが)・腫瘍・感染症・内科系疾患等を除く筋肉に関する症状全般です。
筋肉・腱・靭帯の痛み、こり、しびれ、違和感、動き(可動域)を改善します。
具体的には、手首や指を動かす時の痛みやしびれ。指がこわばる。指が曲がらない、伸ばせない。など、力を入れると痛い、動くと痛い、動かない、動きずらいという症状です。
また、腱鞘炎は、手首、指だけ痛いというケースは少なく、多くは、腕、肘や肩にも痛みやこりがあります。
整体では、手首、指の痛みだけを見るのではなく、体全体を見て施術を行います。
体全体の筋肉の緊張を緩め、筋肉のバランスが整うと痛みや動きも自然に改善していきます。
筋肉の緊張を緩めることで得られる整体効果
腱鞘炎の人が整体に求めるのは、痛みと動きの改善です。
実は、この2つはリンクしていて、痛み、動きの順に改善していきます。
整体効果1.手首、指の痛みの不安
手首、指が痛いと、日常生活の何気ない動きでもつらくなり、痛みが長引けば長引くほど「痛みに対する恐怖や不安」が大きくなります。
「悪化したら仕事ができなくなる」「腱鞘炎を治すには手術しかない」という環境にいたら治るものも治りません。
心が緊張すれば体も緊張します。体が緊張すれば痛みはいつまでたっても無くなりません。
整体では、症状ではなく、あなたという人に向き合い、正しい情報や整体技術を使って痛みと痛みに対する不安を解決します。
整体効果2.手首、指の動きについて
「体は動かさないと動かなくなる」これは、リハビリ経験がない人でもわかるとおもいます。
実際に痛くて動かさないでいると手首、指などの関節は固まって動かなくなります。
しかし、痛いのを我慢しながら動かすと逆効果になります。根性論で解決しようとしても必ず失敗します。順番が逆です。
痛みと痛みに対する不安がなくなれば、自然に体を動かしたくなります。
体を動かしても痛くならないことがわかれば自信がつき、もっと動かすようになります。
そして、「体は動かせば動かすほど動くようになります」
整体はその状態になる「きっかけ」をつくります。
7. 腱鞘炎でお悩みの方へ
痛み回復センター東京の目的は整体を通じてより豊かな生活を送っていただくことです。
あなたの笑顔のために痛み回復センター東京は全力でサポートします。